昔は、住宅地や空き地に野良猫をよく見かけました。今ではほとんど見なくなりました。それは、動物愛護団体や住民自治のおかげかもしれませんが、私たち人間がペットに対する親愛の念が深い証拠だと思います。人と猫との付き合いも非常に長く、当然、生き物であると同時に、飼えば家族の一員ですし、見かけたら放っておけないです。人間にとても近い生き物になったといえましょう。
例えば、ぽつんと猫1匹、外で歩いていたら、どうしたんだろうと思い、近くに飼い主はいないのかな、かわいそうに捨てられたのかなと想像を巡らせ、猫の様子や状態を見てしかるべき対応をすると思います。それは子供が、悲しそうに一人歩いていたり、道がわからくなったお年寄りと同じ対応になるということてす。それだけ、猫は私たちにとって身近な存在なのです。
FAQ よくある質問
初めてのマイホームをご検討中の方には、お金、不動産、設計のことなど、分からないことがいっぱいあるはず。
そこで、当社のお客様より度々ご質問いただく疑問や不安をQ&Aでまとめました。
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新潟で猫と住む家2
はじめに
猫の語源雑学
猫という言葉はどこからきたのでしょうか。
さまざまな説があります。語源大辞典(東京堂出版)によりますと、
「ネコ科の愛玩動物。ネコの鳴き声の示すネに、親愛を表すコ(子)をつけたもの」と記載されています。また、猫の別名に「ねこま」というのがありまして、ねこはその略語という説もあります。猫は「寝子の義。睡(ねむり)を好む獣也」(和訓栞)ともあります。文献に出てくる猫は、非常に古く源氏物語にもその鳴き声が登場するほど、長い歴史を経て、今なお人間の暮らしの中で、生き続けていることもわかります。
猫と暮らすからには、まずは猫の本来もっている野生の本能を理解する必要があります。言葉が通じないですか、猫は全身を使って感情表現し、意思表示をしています。猫の性質や行動を知り、よく観察して、全身で伝えてくる様々なサインを読みとけば、ぐっと距離が縮まることばかりだけではなく、猫との暮らしをより良いものとすることができます。
1)しぐさ
猫の仕草は、気持ちを表すボディーランゲージです。しっぽの動き1つとっても、それぞれ違う意思表示があります。怒れば尻尾が逆立って膨らみ、嬉しければ尻尾をブルブルと震わせるなど、よく観察していると、様々なことがわかります。他にもおねだりの時や、威嚇の声、ゴロゴロ喉を鳴らして甘えたり、耳を伏せて警戒したりなど、たくさんのサインを見逃さずに、しぐさや状況から判断し、猫の気持ちを読み取って、仲良くなりましょう。
<尻尾でわかる猫の感情>
しっぽを見ると猫の気持ちがわかるといいます。例えば、尻尾がぴんと立っているときは甘えたり、おねだりたい時です。ご飯の時によくします。また、尻尾と床が並行になっている時は、リラックスしている時です。尻尾を股の間に挟むときは、恐怖の表れです。急所を守るという意味もあります。尻尾を床につけて左右降っている場合は、何かを嫌がっていたり、相手を挑発してる時です。
<猫が信頼を示す行動>
猫が急所であるお腹を見せて、くねくねと転がるのは、飼い主を信頼しているからこそのポーズです。嬉しいという感情表現だったり、遊んでほしいと言う意思表示だったりします。また、猫が手をなめてくるのは、信頼の証。猫同士で毛づくろいをするように、飼い主の言葉をなめてくれます。知らない臭いを消すためだったり、挨拶の一環とも考えられています。たまに、毛布など柔らかいものの上に乗り、前足で、左右に押すふみふみ行為は、赤ちゃんの時のおっぱいの出を良くするためにしていた動作の名残です。甘えたいときに行います。
2)食事
猫の食事は、ドライフードと水が基本です。特に猫にとって水分補給は大切です。猫は特に新鮮な水を好むため、水が減ったら出すのではなく、器を毎回洗い入れ直すとよく飲みます。また、猫には決まった場所で水を飲む習慣がないので複数の場所に、水飲み場を作ると飲む回数が増えます。
食事の回数は1日2回が基本ですが、1日の摂取量が守られていればあまり神経質にならなくても問題ありません。保存性も良いドライフードであれば、1日分をまとめて出しておいてもokです。ただ衛生面を考えると、食べ残しのフードはこまめに掃除することが望ましいです。ウェットフードは腐りやすいため、早めに食べきる量を出して器をすぐに洗うことを心がけましょう。
<猫が食べてはNGなもの>
ネギ類、ニンニク、ニラは、猫が食べると貧血や腎臓障害の原因になる恐れがあります。アボガド、ナッツ類など、中毒を起こす食材も多いです。火を通した肉、魚、卵、水、豆類、ご飯は、味をつけていないものに限り、少量ならあげても大丈夫です。また、どんなに猫が欲しがっても、人間の食事は食べ残しを与えるのは良くありません。
3)トイレ
猫はとてもきれい好きです。汚れたトイレだと、我慢して病気の原因になったり、トイレ以外の場所でしてしまうこともあります。こまめに掃除をする習慣をつけましょう。
健康な猫であれば、尿は1日2〜3回、便は1日1回程度です。尿の回数が2日に1回以下だったり、1日に7回以上だったりすることが続くと病気の疑いもあるのでよく観察しましょう。便を4日以上しなかったり、苦しそうにいきなりする時も要注意です。猫の尿や便の匂いは強烈なもので、面倒でも排泄したらすぐに、汚れないうちに掃除するのが手間を増やさないコツです。トイレが汚れたままだと猫はトイレに入ろうとしません。毎日、朝夕の2回、最低でも1日1回は掃除をして、月に1回は中身の砂を全部入れ替えて、トイレを丸洗いし、天日干しすると紫外線で殺菌できて衛生的です。
具体的には、トイレはできれば屋根なしのオープンのタイプにしましょう。トイレの上に屋根があるタイプのトイレは、匂いや湿気がこもりやすく、猫には好まれない傾向があります。また、あくまで目安ですが、トイレの数は猫の匹数としましょう。つまり、猫1匹なら2個、2匹なら3個。猫の数+1個用意すると良いでしょう。猫がトイレを使って汚したり、飼い主が外出しても、きれいなトイレが使えるとなります。猫のトイレのおく場所ですが、できるだけ普段生活しているコアスペースに置くことが推奨されています。においが気になるからと、人間のトイレやランドリーにおくと、夜に真っ暗になってしまい、朝まで排尿を我慢してしまうことになります。
4)遊びと運動
室内飼いの猫にとっては、遊びを通じて運動不足を解消することが不可欠です。玩具で遊ぶときは、狩猟本能を刺激するように、獲物となる小動物の動きを取り入れると喜ぶでしょう。猫じゃらしやボールなど、好みの遊び方を見つけてあげましょう。いちどに遊ぶ時間が短く、なるべく回数を増やすと遊んでくれます。
<猫と遊ぶ>
猫をなでるときは、背中など好きなポイントを中心に、指の腹で優しくなでてあげましょう。ただし、しっぽを左右に振り始めたら、「おしまいにして」のサインなので気をつけましょう。さらに、なでていると急に噛んで嫌がることもあります。これは食べる場所や時間が関係しています。急所のお腹や足をしつこく触れたり、長時間なでまわしたりしないようにしましょう。また、子猫によくありますが、遊んでいると狩猟本能が刺激され、授乳の感覚が残っていたりすると、指を甘噛みすることもあります。噛まれた場合は、無視、無反応を徹底し、噛むと遊んでもらえないことを学習させましょう。
早朝や夜に走り回る行動は、猫がこの時間帯に狩りをしていた野生の名残です。寝る前におもちゃを使ってしっかり遊んであげて運動不足を解消すると、ゆっくりと眠ってくれることがあります。
5)老いや病気
猫との生活には、楽しいことばかりではありません。猫も年老いてくれば、病気にもなります。思わぬアクシデントに見舞われます。猫の不調や変化に気がつけるのは飼い主だけなので、いつもと違った様子がある場合は、早めに対応しましょう。
<猫の寿命>
猫を人間の年齢に当てはめると、最初の2年で20歳分、その後は1年に4歳ずつ歳をとると言われています。12歳になればもう老猫なので、フードもシニアように変え、遊び方も工夫して健康管理しましょう。老猫の約25%がかかるのが腎臓病で、死因としても最も多いといいます。室内飼いの猫の平均寿命は15年から16年と言われています。できるだけ長く生きるためには、こういった病気の初期症状に気がつくように、こまめに検診してチェックしましょう。
<去勢、避妊問題>
オスの去勢手術では、マーキングや縄張り争いなどの問題行動が減ります。メスの避妊手術では、卵巣や子宮、乳腺の病気のリスクが減ります。どちらも太りやすくなりますが、精神的に安定し、長寿の傾向になります。
<肥満対策>
よくテレビなどで見かけるデブ猫が出てきます。横から見たときにお腹が垂れ下がっていて、体を触っても脂肪で助骨がわからない状態になっています。これは肥満です。肥満は、糖尿病、尿結石、関節炎などの病気を招きやすいので注意しましょう。かわいさからおやつをあげすぎてしまうのが原因です。
<誤飲や誤食に注意>
日常生活において猫が誤飲や誤色してしまうような事故が起きています。リボンやボタン、ネジなど猫は興味本位で遊んでいても誤って飲み込むと事故になります。自然に排出されなければ摘出手術が必要となり負担も大きいです。誤飲、誤食がありそうなものはしまっておくで防ぐことができます。
まとめ
2回にわたり、猫の住む家についてお話してきました。今回の猫の生態について、すべてを網羅しているわけではありません。前述の通り、猫は非常に長く人間と暮らしを共にしており、同時に猫学と分類できるほどの様々な角度からの文献が存在します。かつ今もって最新の研究も続けられています。街には猫グッズ専門店があったり、SNSでは毎日写真など猫への愛を表現する人たちがたくさんいます。また、猫の本、映画、猫をモチーフにした人気のキャラクターがいたり、人の世に、これだけ親しまれている動物が他にいるでしょうか。「飼う」、「飼わない」はあるにせよ、猫について話題にこと欠きません。
暮らしが多様化しています。それに応じて、ペットとの暮らしかたにも工夫が求められています。間取りや道具の設置で問題が解決することなど含め、家づくりのプロとしても、皆様がペットとのよい暮らしの実現のために、アドバイスができるようにしていきます。