新潟市CoolChoice推進チーム

昨年から続いている新潟市主催の新潟市COOLCHOICE推進チームの会議です。

 

COOLCHOICE(クールチョイス)とは・・・

 

2015年、すべての国が参加する形で、2020年以降の温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」が採択され、世界共通の目標として、世界の平均気温上昇を2℃未満にする(さらに、1.5℃に抑える努力をする)こと、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることが打ち出されました。

 

パリ協定を踏まえ、我が国は、2030年度に温室効果ガスの排出を2013年度比で26%削減する目標を掲げています。この目標達成のためには、家庭・業務部門においては約4割という大幅削減が必要であり、政府は、脱炭素社会づくりに貢献する「製品への買換え」、「サービスの利用」、「ライフスタイルの選択」など地球温暖化対策に資するあらゆる「賢い選択」を促す国民運動「COOL CHOICE」を推進しています。

 

新潟市も公募で選ばれた住宅関係事業者、太陽光発電関係事業者、メディア、学校などが参加して多いなるディスカッションを行っています。

 

高断熱性能の健康住宅が、住まいとして当たり前になる前段階のウォーミングアップでしたが、有意義な時間となっております。

 

まだまだこれからですが、積極的な参加をしたいと思います。

化学物質過敏症について

はじめに

 家は癒しの場です。そこには、安全で安心な暮らしの基盤があります。たとえ、学校で嫌な事があっても、仕事で疲れたとしても家に戻れば、心身ともに回復することができる。それが住まいのあるべき理想です。

 新築住宅を建てたり、リフォームすることは、これまでより快適に暮らせるようになりたいとだれもが願います。ただ、現実問題として、そうならないケースがあります。その代表的な事例が健康の問題です。新しい家に住み始めたのに、どうも体の調子がおかしい。これまでなかったアレルギーがでるようになったとか。これはシックハウス症候群と化学物質過敏症が主な原因にあります。住まいが人間の基本的な営みである衣食住と密接に関わっているがために、病気も伴ってついてきてしまいます。住まいと病気は切っても切り離せません。ただ、住まいについて誤った知識と無知によって生じる健康障害を未然に予防したいものです。あらかじめ建築医学ともいうべき知識をできる範囲でお伝えしていきます。

まず、今回は、化学物質過敏症についてお話しします。


化学物質過敏症とは

さまざまな種類の微量化学物質に反応して苦しむ病気を化学物質過敏症(Chemical Sensitivity=CS)と言います。

人間はこれまで26,000,000種以上の化学物質を開発し、水や空気、土壌汚染してきました。その上毎年、数千種類の化学物質が新たに開発されています。私たちの生活環境にも、生体組織に悪影響を与える様々な有害化学物質があふれ、生活環境や産業で使用される化学物質は約70,000種を超えています。殺虫剤やガーデニング用の除草剤、洗濯用の合成洗剤、ワックス、タバコ、衣類用防虫剤、消臭剤など、数え上げたらきりがありません。食べ物は残留農薬や食品添加物(着色料、香料など)で汚染され、水には環境ホルモンや塩素が混入し、空気には排気ガスから発生する一酸化炭素や窒素酸化物が含まれます。しかも私たちは、これらの科学的ストレスだけでなく、パソコンや携帯電話から発生する電磁波などの物理的ストレスや、職場や学校で受ける精神的ストレス、ウィルスや花粉などの生物的ストレスにさらされているのです。体には、ストレスを受けてもそのダメージを修復して正常な活動を維持しようとするホメオスタシス(生体恒常性維持機能)があります。ホメオスタシスは、免疫系、自律神経系、内分泌系と言う3つの柱から構成されていますが、何度もダメージを受けると、これらの機能も次第に弱って、やがて十分に働かなくなります。化学物質を始め、複合的なストレス汚染にさらされ続けた結果、ストレスの送料が許容量を超えてしまうと、微量の化学物質に反応するようになると考えられています。重症になると、仕事や家事が出来ない、学校へ行けないなど、通常の生活さえ営めなくなる、極めて深刻な環境病です。


増加する化学物質

化学物質過敏症は、何かの化学物質に大量に曝露されたり、または、微量だけれども繰り返し曝露された後に、発症するとされています。化学物質への感受性は個人差が大きいため、同じ環境にいても発症する人としない人がいます。

「わが国において工業用途として届け出られるものだけでも毎年300物質程度の新たな化学物質が市場に投入されています。化学物質の開発・普及は20世紀に入って急速に進んだものであることから、人類や生態系にとって、それらの化学物質に長期間暴露されるという状況は、歴史上、初めて生じているものです」(2003年版『環境白書』より)。

その一方で、「今日、市場に出回っている化学物質のなかで、量として75%に当たるものについて、基本的な毒性テストの結果すら公開されていない」(米国NGOの環境防衛基金1997)といった現状があります。

「便利な生活」のために、化学物質を開発、利用していくことが優先され、安全性の検証は後回しにされがちです。こうした背景のもと、「環境ホルモン」「化学物質過敏症」など、従来予想できなかった新たな問題が表面化してきたのです。


潜在患者が多い現状

 化学物質過敏症の発症者数について、京都大学大学院教授らは、成人を対象に行った調査から全国で約70万人と推計しています。子どもも含めれば100万人程度になりそうです。

しかし、多数の医師はこの病気に関心を持っておらず、診療できる医師は限られています。このため、「更年期障害」「精神疾患」など、別の疾患として診断されたり、「原因不明」として放置されている潜在患者が多数いるものとみられています。 実際、明らかな体調不良にもかかわらず、医師らに「異常なし」「気のせい」などと言われ続け、「CS」と診断されるまで、医療機関を何カ所も渡り歩いた経験を持つ方は、少なくありません。

このため、「お医者様が『異常なし』とおっしゃっているのだから」と、家族からも理解してもらえない発症者が少なくありません。発症者は症状だけでなく、孤独にも苦しめられているのです。

発症者の反応を引き起こす主な化学物質など

▼発症者の90%以上に症状が出るもの

・家庭用殺虫

・殺菌

・防虫剤類

▼発症者の80%以上に症状が出るもの

・香水などの化粧関連用品類

・衣料用洗剤類

・防臭

・消臭

・芳香剤類

・タバコの煙

・シャンプーなどボディーケア用品類

・灯油などの燃料類

・ペンなど筆記用具類

・印刷物類

ほか、発症者が反応するもの

新建材・塗料から放散される化学物質、排気ガス、電磁波、においが強い天然のものなど

(個人差あり)

室内空気汚染

人はそのほとんどを室内空間で過ごします。飲食物は1日2キログラム前後の摂取であります

が、空気は20キログラム前後摂取します。しかも飲食物は肝臓と言う解毒の関門を通過しますが、空気汚染化学物質は体内へ直行します。そこに空気汚染物質の怖さがあります。従来の建築と現代と建築の違いから、室内空気が汚染する原因として、新建築材からの群発性化学物質、建物の高気密性、大気汚染等が挙げられます。

化学物質過敏症(CS)の発症原因の半数以上が、この室内空気汚染です。室内空気汚染による健康影響は、「シックビル症候群」「シックハウス症候群」とも呼ばれています。自宅や職場、学校などの新築、改修、改装で使われる建材、塗料、接着剤から放散される、ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(VOC)などが、室内空気を汚染するのです。建築物自体だけでなく、室内で使われる家具、殺虫剤、防虫剤や、喫煙なども室内汚染を引き起こし、CSの発症原因になります。室内、屋外を問わず盛んに使われている有機リン系農薬(殺虫剤)は、さまざまな毒性(神経作用、アレルギー悪化、視力低下など)が指摘されています。また、特に問題なのが、有人・無人ヘリコプターによる空中散布です。ガス化した農薬が、対象の田畑や森林だけでなく、周辺の住宅地などにも長期間留まり、有機リン中毒やCSなど、深刻な健康被害をもたらしています。さらに、農産物生産以外の目的で使われる農薬(シロアリ防除剤、庭・公園・街路樹の殺虫剤など)には、ごく一部を除いて規制がなく、発症原因となったり、発症者を苦しめています。

化学物質過敏症の原因

シックハウス 59%

農薬・殺虫剤 21%

有機溶剤 8%

その他 12%

患者221名(女性164名、男性57名)。6~62歳(平均42歳)。

北里研究所病院臨床環境医学センターによる

化学物質過敏症の主な症状

【目】かすみ/視力低下/物が二つに見える/目の前に光が走るように感じる/まぶしい/ちかちかする/乾き/涙が出やすい/ごろごろする/かゆみ/疲れ/目の前が暗く感じる

【鼻】鼻水/鼻詰まり/かゆみ/乾き/鼻の奥が重い/後鼻腔に何か流れる感じがする/鼻血

【耳】耳鳴り/痛み/耳のかゆみ/音が聞こえにくい/音に敏感になった/耳の中がぼうっとする感じがする/耳たぶが赤くなる/中耳炎/めまい

【口やのど】乾き/よだれが出る/口の中がただれる/食べ物の味が分かりにくい/金属のにおいがする/のどの痛み/のどが詰まる/ものが飲み込みにくい/声がかすれる/喉頭に浮腫ができる

【消化器】下痢や便秘/むかむかして吐き気がする/おなかが張る/おなかの圧迫感/おなかの痛みや痙攣/空腹感/胸焼け/げっぷやおならがよく出る/胃酸の分泌過多/小腸炎や大腸炎

【腎臓・泌尿器】トイレが近くなる/尿がうまく出ない/尿意を感じにくくなる/夜尿症/膀胱炎/腎臓障害/インポテンツ/性的な衝動の低下や過剰

【呼吸器・循環器】せきやくしゃみ/呼吸がしにくい/呼吸が短くなったり呼吸回数が多くなる/胸の痛み/息遣いが荒くなる/喘息/脈が速くなる/不整脈/血圧が変動しやすい/皮下出血/寒さに対して皮膚の血管が過敏になる/血管炎/にきびのような吹き出物が出やすい/むくみ

【皮膚】湿疹、蕁麻疹、赤い斑点が出やすい/かゆみ/引っ掻き傷ができやすい/汗の量が多い/皮膚が赤くなったり青白くなったりしやすい/光の刺激に対して過敏になる

【筋肉・関節】筋肉痛/肩や首がこる/関節痛/関節が腫れる

【産婦人科関連】のぼせたり、顔がほてったりする/汗が異常に多くなる/手足の冷え/おりものが増える/陰部のかゆみや痛み/生理不順/不妊症/生理が始まる前にいらいらしたり、頭痛、むくみなどがある/感染症にかかりやすくなる

【精神・神経】頭が痛くなったり、重くなったりする/手足のふるえや痙攣/うつ状態や躁状態/不眠/気分が動揺したり不安になったり精神的に不安定になる/記憶力や思考力の低下/食欲低下/いらだちやすく怒りっぽくなる

【その他】貧血を起こしやすくなる/甲状腺機能障害

患者の苦痛

 化学物質過敏症の特徴の一つに、アレルギーなどと比べても、はるかに少ない量の化学物質に反応することがあります。ホルムアルデヒドの室内空気濃度指針値は0.08ppmですが、それより低い濃度で反応する発症者の方もいます。

重症の方は、身の回りの多種類の微量化学物質に反応するため、起きている間じゅう、絶え間なく苦しみます(発症者によっては寝ている間でさえ、不眠や悪夢で苦しめられます)。着られる服がない、使える生活用品がない、食べられるものを探すのも一苦労(農薬や添加物が使われたものは食べられません)。そして何よりつらいのは、自分のこの体を安心して置ける場所がないことです。

化学物質過敏症とシックハウス症候群

 シックハウス症候群は室内空気汚染を原因とする症状であると言う事は前述した通りですが、その建物に住み続けることによってアレルギー疾患が生じたり、化学物質過敏性になることから、アレルギー疾患、化学物質過敏症とシックハウス症候群の3者の発症や症状は重複するところが多いといえます。

かつて「シックハウス症候群」が多発して社会問題化したことから、厚生労働省は、室内空気の化学物質濃度に指針値を設けました。国立病院機構の一部の病院では、シックハウス症候群を診断できる態勢が整備されつつあります。2003年7月には改正建築基準法が施行され、カルテや診療報酬明細書(レセプト)に記載するための病名リストに、2009年10月1日から化学物質過敏症を登録しました。

 このことによって、これまで「シックハウス症候群」「自律神経失調症」「うつ病」など、他の病名で治療を受けたり、申請をせざるを得なかった障害年金においても、「化学物質過敏症」という正しい病名による認定が増加し、わずかではありますが生活保障されるケースが報告されています。しかしながら、 根本的な脱化学物質、脱電磁波など、目に見えない環境汚染物質の発生や使用に対する幅広い規制、対策は、ほぼ無策と言っても過言ではありません。

 また、厚生労働省は、シックハウス症候群など体調不良を引き起こすおそれのある化学物質についてを、新たに追加しました。新たに指針値が設定されるのは、水性塗料の溶剤に使われている「テキサノール」や、接着剤や塗料に含まれる「2-エチル-1-ヘキサノール」など。テキサノールは、既に指針値のあるフタル酸エステル類の代わりに広く使われています。2-エチル-1-ヘキサノールはオフィスなどのビニール製の床材から放散され、問題になることが多いとされます。

 

新過敏症 香水、柔軟剤のニオイ

 最近、新たに発症してある過敏症があります。公害になぞらえて「香害」。香水などの香りが「不快」を超え、健康被害を訴える声が増えています。具体的には、衣類の柔軟剤や香水、香りが強い商品です。洗濯物の香りで息ができない、吐き気がする、体臭対策で香水をつけたはいいが、香りが強すぎると周囲に不快感を与えていますが、当の本人は“良い香り”だと思っているから指摘するのも難しい。柔軟剤のテレビCMなどでも、花の香りを振りまくことで、周りの人たちが笑顔になるような演出をしているため、その香りが不快感を与えているとは想像しにくいのかもしれません。それが香りの好みではなく、健康に関わる問題となっています。

 芳香性がブームになったこともあり、柔軟剤は本来、生地の質感を柔らかく保つための仕上

げ剤。国民生活センターによると、以前は微香タイプが主流でした。ところが、10年ほど前に香りの強い海外製品がブームになったのをきっかけに、芳香性を強調した製品が増加。その頃から、柔軟剤による体の不調を訴える人が増え、過敏症の人たちが悲鳴をあげています。各メーカーは、対策としてテレビCMなどで「香りの感じ方には個人差があります。周囲の方にもご配慮のうえお使いください」などと表示。製品やホームページに、香りの強さを表記されています。

子どもが危ない 子どもと化学物質過敏症

「シックスクール」という言葉が聞かれるようになりました。子どもにとって安全であるべき学校の環境が原因で、子どもや教職員が化学物質過敏症などを発症したり、または、すでに化学物質過敏症やアトピー、アレルギーになっている子どもや教職員の症状が悪化するケースです。

 化学物質過敏症を発症している子どもや教職員の多くは、床に塗るワックスや教材から揮発する化学物質、教職員のたばこや香水、校庭の樹木へ散布される殺虫剤などに反応して、症状が出てしまいます。

 また、校舎の新築や改修による集団的な健康被害の発生例も報道されています。

 学校側が協力して、教室の換気を励行したり、教職員がたばこや化粧を控えるなどの対応を取れば、化学物質過敏症の子どもでも通学できる場合があります。しかし、化学物質の問題について知識がない関係者がまだ多いため、子どもや親からの訴えがなかなか理解されないケースも目立ちます。

 また、学校側が協力しても学校に通えないほどの重症の子どもの場合は、養護学校からの訪問教育などで対応するよう、文部科学省は指導しています。しかし、「人員が足りない」などの理由で、実施されないこともあります。

 シックスクールは、一部の「過敏な子」だけの問題ではありません。化学物質過敏症の典型的な症状の一つに、集中力・思考力が欠けて落ち着きがなくなる、感情を制御しづらくなり怒りやすくなる、というものがあります。化学物質に曝露されると「キレる」子どもが(大人も)現実にいます。一見すると元気で活発な子どもが、実は病気のせいで“多動”になっていた、という例も報告されています。

今日、落ち着きのない子ども、感情を制御できない子どもが、いかに多いかということは、皆さんもご承知の通りです。

親も教職員も、そして子ども本人も気付かないうちに、化学物質の影響を受け、「多動児」「問題児」扱いされている子どもたちも、きっといるのではないかと思われます。化学物質過敏症の子どもたちが通えるような学校にすることは、他のすべての子どもたちの健康を守ることにもなるのです。

「健常者」も危険

 化学物質過敏症を発症していない人が、化学物質過敏症を発症しないために、化学物質にできるだけ曝露されないよう、より安全な生活習慣を心がけるようにしてください。化学物質過敏症は多くの場合、特別なものによって発症するのではありません。「危険」だとして禁止される化学物質は、禁止される直前まで普通に使用されているのです。あまり神経質になる必要はありませんが、化学物質の安全性・危険性については完全には解明されていないこと、また、単一の化学物質は安全でも、身の回りには数百種類かそれ以上の化学物質が常に存在し、その複合影響があり得ることにご留意ください。

【具体的な予防策】

・室内空気を汚さない(換気の励行。噴霧式・スプレー式殺虫剤、芳香剤、消臭剤は使用しない。蚊取り線香は使用しないか短時間に限って使用。衣類防虫剤は使用しないか密閉容器中で使用。あらゆるスプレー類は使用しないか戸外で使用)

・食品は安さだけでなく安全性にも注意を

・合成洗剤はやめて石けんに

・住宅の新築・改修・改装は特に注意

・「あれば便利」程度で、なくても良いものは使わない

・家庭だけでなく、職場、学校・幼稚園などでも同様に

・適度な運動で汗をかいて

まとめ

 昨今、環境問題がさかんに問われています。

プラスチック製袋の削減や省エネ法改正、脱炭素社会など次々に施策が行われてきています。私たち人間は、利便性を求めてすぎて、その代償として、温暖化や気象の激甚化が起こり、人間の本来もつ生命力が弱ってきているように思います。そしてコロナウィルス。これ以上、暴走していけないという自然からの警告なのかもしれません。そんな時代に、私たちは生き延びてゆかなければなりなません。人間が作り出した化学物質に苦しめられている人たちを理解し、そしてこれから苦しめられるかもしれないという現実を踏まえて、今後、高度に発達した便利な暮らしのなかで、ある時、ふいに自身の健康が損なうリスクが生じることを十分に考慮しつつ、社会を歩んでいくことになることでしょう。

統計データ及び事例、さらに発症者の相談、支援については、弊社も正会員である化学物質過敏症支援センターのHPをご参照ください。

雪下ろし

去年の年末からほんの今まで降り続いた雪のせいで自宅周辺の屋根にはおよそ1.3m程の雪がつもり古い作りの小屋の屋根は垂木が雪の重みで変形しつつありました。

3,4年前の大雪の際初めて雪下ろしを経験して以来人生2回目の雪下ろしです。

やってみて感じるのは雪国は雪の処理場所を確保しておくと楽だなーと言うこと。

雨どいは雪下ろしの時邪魔な事

軒先から降ろすのは腰にくること。

運動不足で体力が落ちていること。

色々な事を学びました。

大変な思いをしてもただでは起きません。

何か得ることがあるはず。

感じることがあるはず。

そう思って生きています。生きていきます。

学びは尽きません。

室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる

「室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる」の著書で、健康寿命がのびる家づくりが具体的に載っております。

 

一般新書で書店に並ぶことで、私たちの造っている健康住宅が認めてもらえたようで、とてもうれしく思います。

 

ご興味ある方は、一読してみてください。

 

 

「冬の室内温度は18度以上に」

 

WHO(世界保健機関)が健康の観点から、このように勧告していることをご存知でしょうか?

 

実はあなたの「健康」は、住環境に大きく影響を受けています。

 

実際、「室内を2度上げると健康寿命が4歳のびる」という研究結果があるのです。

 

最新のエビデンスをもとに「健康を守る家」「健康寿命をのばす家」について考えています。

 

運動や食事だけでは実現できない、新しい健康のあり方を提案します。

 

日本人の3人に1人がアレルギー

実に「日本人の3人に1人」4200万人以上がアレルギーに悩んでいます。(厚生省「アレルギー疾患の疫学に関する研究」1992~1996年。)

 

全体でみると、何らかのアレルギー疾患を持っている人は乳幼児 28.3%、小中学生32.6%、成人 30.6%にのぼります。

 

少し統計が古いので、2020年現在はもっと多いと予想されます。

 

東京都衛生局によると「3歳までに何らかのアレルギーの症状が有り、かつ診断されている児は約4割」(平成26年のアレルギーに関する3歳児全都実態調査)。

 

文部科学省調査では、アトピー性皮膚炎の児童生徒約70万人。ぜんそくは約73万人。アレルギー性鼻炎は約118万人(全体の約10%) です。

 

特に乳幼児から児童のアレルギー疾患が増加しています。

 

これは異常が日常化した姿と言っても過言ではありません。

 

年代別に有病率を調べると、若い世代の人が陽性率が圧倒的に高いです。

 

こうして結果は海外で行われた調査でもよく似た結果が得られました。

 

世代のなかで変化は、経済の発展で生活の質が変化したことと、幼児期に農家で育ち、家畜に囲まれ過ごした人よりも都会育ちの人のほうがアレルギー疾患にかかる割合が高いといわれます。

 

それらの事実を増えると、都市生活が広がり、衛生環境が改善されていったことがアレルギー増加の原因と考えられます。

 

清潔な暮らしをすることで平均寿命は伸び、感染症などは減りましたが、その分、アレルギーが増えていったといえます。

省エネ法改正

来年から建築物省エネ法と言う法律が全面施行されます。

建築物省エネ法とは2030年の温室効果ガスの削減目標に向けて建築分野の目標を達成するべくできた法律で、

大規模中規模の建築物ではもう始まっている法律ですが、住宅分野ではまだ法としては施行されていませんでした。

その法律が来年から施行されます。

気になるその内容は

『建築主(施主様)へ建てる家がどの程度の省エネ性があるのか説明しなさい』

と言うものです。

省エネ性の説明って言われてもどーゆーこと?って思われるかもしれませんが

省エネ性=燃費です。

自動車業界で買う車の燃費を知らされずに購入することはありませんよね?

でも住宅業界は今まで燃費を伝える必要がなかったのです。

それを説明しなさいというのが省エネ法の内容です。

千癒の家はしっかりとした性能が保証されているので問題ありませんが、

住宅業界にはまだまだ省エネ性の理解が乏しい企業も多く国でそのレベルの底上げを図っている状況です。

上の写真も国で開催するオンライン講義のテキストや解説書です。

提供される家がすべて高性能に近づいて行くことは良いことなのでどんどん底上げして日本の住宅環境を良くしていきたいですね!

学校の新しい生活様式

新型コロナウイルス感染症の蔓延により、誰も予想しなかった子供たちの長い臨時休校が実施されました。

 

そして、その間に文科省は、新型コロナウイルス感染症については、学校における感染およびその拡大リスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続していく必要がある。としています。

 

たしかに、現場の先生方は、「3つの密」を回避するため、とてもご苦労していると見聞きしました。

 

そして、消毒としてアルコール品切れ不足していた時には、次亜塩素酸などが消毒に活用されていましたが、子供たちの中には、化学物質に過敏な体質な子もいて、体調不良を訴えるお子さんも多数いたと聞きました。

 

感染症対策としての化学物質により対処方法が、昨今では当たり前になっていますが、化学物質は人体に蓄積するものです。

 

人を容器に例えれば、容器が大きなドラム缶のような大きさであれば、毒素が蓄積しても、発病リクスは少ないですが、おちょこのように小さければ、容器から溢れ出すことで、去年は何も感じなかったことが、今年はなんだか体調が悪いとなるのです。

 

特に、子どもたちは、成長過程を歩んでいます。

 

人は環境に適応できる生き物ですが、悪害に適応すると、どこかで別な反動が出てきます。

 

その子どもたちは、住む家を選べません。

 

どんな家で、家族で暮らすか?を今一度、考えてみたいものです。

 

 

 

 

 

 

新しい仕様

千癒の家も日々進化しています。

少しずつマイナーチェンジをしながらより良いものになるように心がけています。

その一つが下の写真です。

そして今までの仕様が下の写真です。

 

違いがおわかりでしょうか?

そうです。

色が違います!

黄色からピンクになることで職人がより華やかな気持ちで作業ができるように・・・

 

冗談です。

 

ピンクのボードは『ハイクリンボート』と言い、室内のホルムアルデヒドを吸着、分解する性能をもったセッコウボードです。

千癒の家の室内の仕上げは標準で漆喰ですのですでにその性能は持ち合わせているのですがさらにセッコウボードも健康住宅に特化した仕様になり、住まわれる人の快適さをお約束致します。

 

エアサーキュレーター

お盆休みはいかがでした?

 

例年とは違うお休みだったと思いますが、自宅で家族と快適に過ごせることは

 

とても大切なことだと改めて実感しています。

 

快適な環境に住むことは人を豊かにしてくれます。

 

これからの夏はより猛暑に向かっていくことが予想されます。

 

どんな家を建てて、どんな環境で住みたいか?

 

家づくりを考えている方は、しっかり勉強されることをおすすめしますm(__)m

 

夏休み中に、家電量販店に行ってきました。

 

今年はエアサーキュレーターがとても売れているそうです。

 

弊社もエアサーキュレーターは推奨している家電でございます。

 

数千円から購入できるものもありますので、是非ご活用くださいませ。

 

エアサーキュレーターとは(解説文引用)

室内の暖気は上昇、冷気は下降するため天井より高温になり、床が天井より低温になる。特に空調設備を用いる場合は締め切った室内で使うケースが一般的でこれにより天井と床の温度差が激しくなり、頭熱足冷になりやすい。サーキュレーターの風向きを天井に向けて風を送り出すことにより、室内の空気が循環し攪拌させることにより天井と床の温度差を少なくし、頭熱足冷の緩和、エアコンは温度調節をする必要が徐々に無くなるため節電や効率に繋がる

夏場にエアコンを使わず窓を開けて、窓付近にサーキュレーターを設置することで、風通しを良くする方法もある。可能であれば風の通り道の窓にそれぞれ1台ずつ設置して、1台は窓付近に置いて吸気用、もう1台は網戸に接触させて排気用にすると効果的である。

冬場もエアコン・ストーブなどの暖房機器との併用で効果を得られる場合がある[

その他、洗濯物を乾かしたり部屋の空気を入れ替える換気などにも利用できる。

 

住宅と電磁波

はじめに

 私たちを取り巻く環境は日々変化をしています。あらゆる分野で画期的な商品やサービスが誕生し、これまでの常識を覆すような革新的な開発や技術生み出されています。科学などの目覚ましい進歩は、私たちの生活や暮らしを便利で豊かにしていることに疑いはありません。例えば、自動的に掃除をしてくれる掃除機ルンバや超薄型の4K8Kテレビ、AIが搭載されたロボット、携帯電話やスマートホンにいたっは、毎年新機種が登場し続けています。もはや持っていない人を探すほうが困難なほどです。私たちはこれらの商品の利便性を享受する一方で、家の中には溢れんばかりの電化製品が並び居住空間にはコードや配線が所狭しと張り巡られていることを忘れてはなりません。また、外を見渡せば、送電線や携帯電話の電波塔などが、あっという間に、住宅周辺の空き地に建てられているような状況です。私たちは、いつの間にか多くの電磁波の中で暮らすようになっているのです。それによって健康影響を始め、様々な問題が起こっています。


電磁波とは何か

 電磁波とは空間を走る電磁気の波のことです。電磁波の「雷」とは電気のことで、その電気が空間に放たれたものが電波です。しかし、電気や電波には、その影響が及ぶ領域があります。炎に手を近づけていくと、熱を感じ領域があるように、電気や電波にも影響が及ぶ範囲があります。この領域を「雷場」といいます。また電磁波の「磁」とは、磁気あるいは磁場を意味します。磁石が鉄を引き寄せる際に働く吸引力が「磁気」で、磁気が及ぶ範囲のことを「磁場」といいます。電流が流れると、その周りには「雷場」と「磁場」が発生します。電磁波とは、電気によって生じる「雷場」と「磁場」を伴った波のことなのです。


生活環境における電磁波 (雷場)と(磁場)

日常生活を思い浮かべてみましょう。居住空間のなかで、ラジオ波やテレビ波、携帯電話に使われるマイクロ波のような電波が空間を走っています。ちなみに送電線や電気コードは動線内を通る電気を電流といい電磁波とは区別されます。しかし、電流がコードを流れる時に、コードから電磁波が空間に漏れてでてくることがあります。生活環境において、様々な電化製品の多くは、スウェーデン基準といわれる安全基準の、25v/m の電磁波(電場)を超え、 数百v/m が発生している場合が多いようです。
 雷場・・電圧がかかることで発生し、ブレーカーを切らない限り家中の全ての屋内配線から発生します。常に電圧がかかっている屋内配線から、半径70cm 360度方向に発生し、天井配線においては、 半径70cm超える距離にて居住している場合が多く、影響が少ないと思われますが、 壁内にある屋内配線の場合は、壁面に接してベット、机を配置する場合が多く、 電磁波の電場の影響が大きいと考えます。
 磁場・・電流が流れて初めて発生し、コンセントに家電製品の電源プラグを差し、電源スイッチを入れることで発生します。しかし、 屋内配線では、その1本1本の配線に流れる電流の量に限りがあるため「磁場」はほとんど発生しないと思われます。


電磁波の種類

波長がとても短くパワーがあるガンマ線やエックス線は物質の原子から電子をはがすほど強力なので電離放射線といい、それよりも波長が長い電磁波は電離作用がないので非電離放射線といいます。

図1.電磁波の種類

電磁波=放射線   電離放射線     x線

                   ガンマ線

                   紫外線の一部

                         

     光の仲間  赤外線

       非電離放射線  可視光線

 紫外線大部分

          電波    静電磁波 サブミリ波

                        極低周波 マイクロ波

                        中間周波 

                        高周波  テレビ波 ラジオ波

 

さらに詳しくみると電磁波は、周波数が低い(波長が長い)方から順に、「静電磁「超低周波電磁

「中間周波電磁「高周波電磁」に分けられます 電磁波の性質は「周波数」「波長」によって異なります。その性質の違いによって、いくつかの種類に分類されます。「周波数」とは、電磁の強さが1秒間に何回変化を繰り返すかを表すもので、「ヘルツ(Hz)」という単位が用いられます。「波長」とは、電磁の波の間隔を表すもので、「メートル(m)」が用いられます。電磁の周波数が低いほど波長は長く、周波数が高いほど波長は短くなります。電磁には、周波数が低い(波長が長い)方から順に、静電磁、超低周波電、中間周波電磁、高周波電磁があります。

静電磁波・・周波数が0Hz、つまり強さが変化しない電磁を指します。静電磁は「直流電磁」と呼ばれることもあります。これは、鉄道や医療用磁気共鳴画像撮影装置(MRI3)などに用いられています。地磁気や永久磁石の磁界もこれに含まれます。

超低周波電磁・・周波数が0Hzより大きく、300Hzまでの電磁を指します。超低周波電磁には、家電製品や、送電線・変電所などの電力設備に用いられる50Hz及び60Hzで、商用周波電磁とも呼ばれます。

中間周波電磁・・周波数が300Hz10,000,000Hz10MHz)の電磁を指します。「IF5電磁界」と呼ばれることもあります。中間周波電磁界は、電磁誘導加熱式(IH6)調理器、電子タグ(RFID7機器、無線タグ、ICタグなどとも呼ばれます)、電子商品監視装置(EAS8機器、万引防止監視システム、盗難防止装置などとも呼ばれます)、AMラジオ放送などに用いられています。新しい応用技術として、電気自動車の非接触充電にも用いられいます。

高周波電磁・・周波数が10,000,000Hz10MHz)~300,000,000,000Hz300GHz)の電磁を指します。「無線周波電磁」や「RF9電磁」、「電波」10と呼ばれることもあります。高周波電磁の中で、波長が短い領域の電磁は「マイクロ波」とも呼ばれます。高周波電磁は、TVFMラジオ放送、携帯電話などの無線通信や、電子レンジなどに用いられています。高周波電磁については、発生源からの距離が遠い領域と、これよりも近い領域で性質が大きく異なるため、異なる尺度を用いて強度を表しています。

以下の図は、電磁波の周波数、波長及び主な発生源の分類を示しています 電磁波(の分類名称周波数波長主な発生源として、(例)静電磁波( 地磁気、磁気共鳴画像撮影装置(MRI)、鉄道超低周波電磁 0Hz~300Hz 1000km~家電製品、電力設備(50Hz、60Hz)鉄道電子商品監視装置(200Hz~14kHz)中間周波電磁波( 300Hz~10MHz 30m~1000km IH調理器(20~90kHz)電子商品監視装置(200Hz~14kHz、22~37.5kHz、58kHz、1.8~8.2MHz)電子タグ(135kHz以下)放送局・通信設備(数百kHz~)高周波電磁波(界) 10MHz~300GHz 1mm~30m 非接触ICカード(13.56MHz)電子タグ(13.56Hz、300MHz、920MHz、950MHz、2.45GHz)医用テレメータ(400MHz)携帯電話、基地局(700MHz~数GHz)無線機器(~数十GHz)通信設備(~数十GHz)放送局(~数百MHz)電子レンジ(2.45GHz)電子商品監視装置(2.45GHz)など


国際的なガイドラインとは

非常に強い電磁人体がばく露すると、健康影響が生じる恐れがあります。この健康影響から人体を防護するため、どのようにばく露を制限したら良いかを示すのが、ガイドライン(防護指針)です。電磁波の物理的な性質は科学的に十分に理解されており、人体への作用についても、長年の研究か多くのデータが蓄積されています。ガイドラインは、このような確立された科学的知識を基に作られています。最も広く利用されているのは、WHOが正式に認知している非政府機関である国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインです。ICNIRPガイドラインは、刺激作用や熱作用により健康影響を生じることがわかっているばく露レベルに対して必要に応じて安全上の余裕を盛り込んで、指針値を制定しています。ICNIRPガイドラインは、欧州連合(EU)理事会がEU加盟各国向けの勧告に採用しているのをはじめ、アジア、オセアニア、アフリカ、中南米など、世界中の約150ヵ国で採用が進んでいます日本では、送電線などの電力設備や、携帯電話基地局などの無線設備、携帯電話などの無線機器について、それぞれの周波数に対するICNIRPガイドラインの指針値と同等の規制が実施されています。

どんな家電製品から電磁波が多く発生しているのか
パソコンやホットカーペットは、使用時間が長く、かつ身体に直に触れるものが私たちにとってより影響が大きく、注意が必要な家電と言えます。さらに最近「オール電化住宅」を謳い文句に、電気床暖房、電気風呂、システムキッチンには「IHクッキングヒーター」を組み入れています。IHクッキングヒーターは火を使わない調理機器で、安全性をセールス ポイントにしていますが家電製品の中で最も強力な電磁波(磁場)を発生させる機器です。この電磁調理器のしくみは、コイルに強い電流を流して磁力線を発生させると鍋の金属に誘導電流が生じます。この誘導電流は鍋素材の電気抵抗を受け熱を発生させます。そのためスイッチをONにして金属製の調理台に触れても熱く感じません。この調理器からは強力な変動磁場が発生し周囲に放射されます。調理台の中心部からは2,000mG(ミリガウス)以上もの磁場が放射されます。1~2mGが安全の目安とされるのに、長時間 台所で磁場に被曝する主婦の健康を考えると、きわめて危険な調理機器です

 家電製品各種からは、電源に用いられる50Hzまたは60Hzの超低周波磁の他、電磁誘導加熱式(IH)調理器など製品によっては数kHz~数十kHzの中間周波磁、インバータやモータを用いる製品からは各種の中間周波磁及び高周波電磁が生じています。これについては、測定法がICNRPガイドラインで定められています。この方法での測定の例では、国際ガイドラインに対する磁界の強さ(磁束密度)の比率は、IH炊飯器では最大5%(測定距離30cm)、IH調理器では最大3%(同30cm)、シェーバーでは最大6%(同0cm)、電気カーペットでは最大13%(同0cm)、電気毛布では最大4%(同0cm)、電気マッサージ器では最大68%(同

0cm)、温水洗浄便座では最大18%(同0cm)、電動歯ブラシと充電器では最大46%(同0cm)、各種の蛍光灯及びLED照明器具については測定下限値である0.2%未満(同30cm)と報告されています。、主な家電製品からの電磁の強さの国際的なガイドラインに対する比率の例を示します。


携帯電話の危険性

 携帯電話が通信に利用する電磁波は、高周波に属するマイクロ波に低周波を混ぜて変調させたもので、800メガメルツから2.0ギガヘルツの周波数で使われています。携帯電話で通話する際は、携帯電話機の最寄りの携帯電話基地局へ信号が送られ、その後、通話やメールができるようになります。携帯電話基地局は、それぞれ送受信を担当する区域をもち、市街地では一基当たり半径数百メートル、郊外では数キロメートルの範囲をカバーします。市街地には、NTTドコモ、ソフトバンク、auなど各通信会社がそれぞれの基地局やアンテナがほぼ500メートル置きに設置しているので、どこにいってもアンテナだらけで、携帯電話電磁波の無い場所はありません。基地局の住民は否応なく24時間、携帯電話電磁波に被爆させられます。さらに基地局は、無線設備を動かすために数千~数万ワットの電力を使うので、周囲では強い低周波磁場が発生し、周辺住民はマイクロ波だけではなく、超低周波にも被爆することになります。

 脳には、有害物質の侵入を排除し、必要な栄養素や酸素だけを通す血液脳関門という組織があります。携帯電話の基準値の1万分の1以下の電磁波に曝しただけで、血液脳関門の機能低下し、有害物質が脳内に侵入することが、スウェーデンで行われた実験でわかりました。血液脳関門の機能低下が続くと、破壊される神経細胞が増えることも確認されています。また、携帯電話を通話中の状態にして30秒間耳に当てただけで、目の奥の血流が4分の1以下に減少する、という報告もあります。脳への血流が減少するということは、脳の神経細胞に必要なブドウ糖やミネラルなどの栄養素や酸素の供給量も減っているということです。このような状態が長期間続くと脳梗塞のような状態が起きると指摘されています。またラット実験では、電磁波を被爆させると、記憶力や方向感覚の低下も報告されています。また、脳内ホルモンを分泌する松果体が影響を受け、睡眠や免疫、生殖にかかわるメラトニンというホルモンが減少します。また、神経伝達物質であるカルシウムが細胞から流出し、細胞の機能や成長に異常が起きます。DNAを傷つけて染色体異常を起こしてガンの原因になるという報告もあります。マイクロ波などの高周波電磁波に被爆する職業や地域では、白血病や小児ガンなどの発症率が非常に高いこともわかっています。

携帯電話基地局周辺の住民に起きる健康影響

携帯基地局からの距離

症状

10m以内

吐き気、食欲不振、視覚障害

100m以内

怒りっぽい、うつ症状、性欲減退、めまい

200m以内

頭痛、睡眠障害、不快感

200~300m以内

疲労感

そういった携帯電話の人体に与える影響から、世界の国では、特に、まだ身体の発育が未熟な子どもへの影響を懸念して、子どもに対する携帯電話の規制や勧告などが行われています。しかし、日本では小さな子や小学生に携帯電話を持たせるのも珍しくありません

各国の子供に対する携帯電話の規制、勧告、要請一覧

ロシア     16歳以下の子供は携帯電話を使うべきではない。

イギリス    8歳未満の子供には携帯電話を使わせないように。

フランス    12歳未満の子供用携帯電話の全ての広告を禁止。

オーストラリア 10歳未満の子供を販売対象にしない。

カナダ     8歳以下の子供たちには固定電話を。

アイルランド  16歳以下の子供には携帯電話を使用させないように。

インド     16歳未満の子供の携帯電話使用、販売禁止。

オーストリア  クリスマスプレゼントに携帯電話はやめよう。

ベルギー    7歳以下の子供への携帯電話の販売は、店頭でもインターネットでも禁止。

日本      小中学校への持ち込みは原則禁止。中学校では一部解禁のところもでてくる。

屋内配線から発生する電磁波
  床下や壁の内側を通る屋内配線からは、電磁波が発生しています。電化製品の場合、電磁波はコンセントに差し込んでいるときしか発生しませんが、屋内配線の場合は一日中ずっと発生し続けています。家にいる限り、電磁波に囲まれている状況になりかねないのが、現代の住まい。屋内配線はブレーカーを落とさない限り常に
電圧がかかっているため、配線が重なった場所は、特に強い電磁波が発生しています。


外部環境から電磁波影響

外部環境には、電力会社の地下送電線や変電所NTT、NHK、放送局、建設省の緊急避難用電波塔、そして携帯電話会社など電波塔があります。日本のように、狭い土地に人口が密集し、電力使用量や携帯電話の普及台数が世界でも高を誇る国では、所構わず高圧線鉄塔や電波中継塔が乱立しています。高圧線や電波塔の真下や周辺に民家が密集したりするのは日本だけです。 

高圧送電線鉄塔や電波塔の建設による、健康被害や健康不安に対する地域住民の建設反対や撤去の運動が全国的に拡大しています。これらの鉄塔からは、人体に有害な電磁波が放出されており、欧米では十年以上も前から 電磁波の人体に与える影響を疫学調査し、住宅・保育所・幼稚園・学校・子どもの遊び場・オフイス等の建設に厳しい規制をしています。近くに鉄塔が無くても、窓を開けると目の前に高圧送電線が通っている場合や地下1.5~2mに埋設された地下送電線近くに居住している場合には、鉄塔付近に居住する以上の電磁波被曝を受けています。日本では電磁波規制がなく、それどころか逆に電力業界と電機メーカーは家庭用電圧を現在の100ボルトから200ボルト級、400ボルト級まで引き上げることを計画し、15年ほどかけて実現を目指す方針ですすでに通常の家庭用電圧(100ボルト)の倍で動く「200ボルト家電」が家庭に浸透し始めました洗濯乾燥機やクッキングIHヒーター、エアコンなど「ハイパワー」を売り文句とした家電製品が普及しています。発電所でつくられた高圧の電気は最終的には自宅近くの変圧器で200ボルト及び100ボルトにされて家庭に送り込まれています。すでに分電盤が100ボルトと200ボルトの両方に対応できるタイプになっている住宅は多く、コンセントまでの配線工事さえすれば200ボルト家電が使えます電力業界が提言している、電柱までを2万2000ボルトまで増やし家庭へも200ボルト級や 400ボルト級で届くように求めている高電圧構想が、我々の知らない間に実行されています「ハイパワー」家電は健康への「ハイリスク」をもたらします。ちなみに世界の電圧はEUが220ボルト、米国 120ボルト、カナダ 110ボルトです。狭い日本の住宅で200ボルト級、400ボルト級にする必要性と健康への影響を考えると極めて危険であると言わざるを得ません。



携帯電話の基地局の危険性

電波によって、携帯電話、スマートホンで通話できるのは、携帯電話の端末と携帯基地局が電波で結ばれるからにほかなりません。ただ、電波による光信で欠くことのできないのがアンテナです。発せられた電波は、

アンテナで受け止められます。携帯電話の普及と、初期の圏外の改善には、基地局設置が伴っており、全国どこでもほぼ通話が良好となった背景にはこの基地局の過剰な乱立があります。そのことによって、近隣住民の健康影響が報告されています。


事例として、

神奈川県横浜市

横浜駅からJR根岸線で約20分。洋光台駅と港南台駅のほぼ中間に広がる丘陵地帯周辺でガンや白血病で死亡している人が多発しており、年でガンで死亡する人が増え40~50才が多いという。丘陵地帯から1.5キロほどの住宅に住む主婦が乳ガンになり、隣の奥さんも乳ガンで亡くなり、斜め向かいの奥さんは白血病で、その隣の奥さんは膠原病で、さらにお医者さんが肝臓ガンで亡くなり 奥さんも乳ガンで手術をしたというように辺り一帯進行ガンで亡くなる人が多発しているといいます
 これは、丘陵の尾根沿いに、海上保安庁、NTT、NHK、FM放送局、建設省の緊急避難用電波塔、携帯電話会社など6基の各種電波塔が住宅地を睨むように乱立しており、さらに住宅地の真上には15万7千ボルトの高圧線も通っておりマイクロ波と低周波の複合電磁波による影響と考えられます。
 ガン患者の異常多発は、6基の電波塔から、西側1キロほどの所に位置する 団地でも同様にガンで亡くなっている人は、男女を問わず、圧倒的に多く、住宅地内の多くの住民が、ガンの多発と電波塔から発せられる電磁波の関係を疑い始め、NTTドコモが建設予定の7基目の巨大鉄塔(無線中継塔)の建設反対に3千人の住民が反対署名を横浜市に提出し、郵政省、県、建設省などにも電磁波の危険性を訴え、鉄塔建設計画の中止を要望したといいます

②徳島県三好郡

 携帯基地局からの無線電波による被害の例としては、徳島県三好郡で基地局が建設されて1ヶ月位でミツバチが40箱死滅したり、池の鯉が死滅するという現象が現われ、6ヶ月後には地域住民の体調にもさまざまな症状(差し込むような頭痛、血圧上昇、脈拍上昇、うつ状態、目の異常、フラフラして歩きにくい、卒倒、体重減少等)が現われ、住民のうち7名が血中セロトニン濃度を測定したところ、7名ともに0.01マイクログラム以下で正常値(0.04マイクログラム) の4分の1以下で「電磁波過敏症の疑い有り」と診断されました。 これらの症状や検査結果は欧米で報告されている電磁波障害と一致しており 米国カリフォルニア州マリン郡のレーダー基地周辺は乳がん発生率が世界一で、この電波塔からの電磁波による影響が、三好郡のケースとあまりにも酷似しています。

電磁波が人体に及ぼす影響
慢性疲労性症候群・・パソコンや携帯電話の普及により、現代の慢性疲労性症候群患者の95%は、 電磁波過 敏症によるものだという報告があります。

アトピー・アレルギー・・電磁波は静電気も発生させ、静電気により、浮遊粉じんが集まり、 皮膚が反応してしまう場合があります。


電磁波過敏症

身近にある掃除機や洗濯機、ドライヤーなどの家電製品を使うと超低周波電磁波が発生します。また携帯電話を使えばマイクロ波に被曝することになります。電磁波過敏症とは、これらの電磁波に被曝すると、めまいや頭痛、吐き気、不眠などの症状が起きる病気です。スウェーデンやドイツ、デンマークなど、ヨーロッパ諸国では社会的に認知されつつあり、 健康保険の対象として治療が進められています。また、化学物質過敏症の併発も懸念 されています。化学物質過敏症とは、微量な化学物質にさらされることで、頭痛や吐き気、倦怠感などさまざまな症状が現れる病気です。例えば、シックハウス症候群です。防蟻剤や接着剤、塗料などから発生する軍発性有機化合物(VOC)によってダメージを受け、住人に皮膚のかゆみ、粘膜の刺激や乾燥などの症状が現れること。

発症をきっかけに、多様な化学物質過敏症に反応する多種化学物質過敏症になるケースもあります。電磁波過症は、化学物質過敏性との併発率は42%。症状は、日焼けのような炎症、頭痛、吐き気、筋肉痛、頻脈など多岐 に渡ります。人によって症状が違う上に、症状の重さもさまざまで、症状が一つしかない患者もいれば、複数の症状に苦しむ患者もいます。調査した団体によると、女性が8割を占め、男女とも30〜50代の患者が多いようです。

電磁波による健康被害は、いわゆる「医者が治せない病気」であり、こうした事例が報告されていることは、否定できない事実です。電気が増えたことによる副作用としての、こういった健康影響は、住環境における電磁波と外部における周辺の電磁波が原因なのです。「便利さ」という電気の恩恵でありながら、言い換えれば電磁波と「便利さの代償」なのです。


本は世界一電磁波が強い国
 電磁波の磁場強度は、ミリガウス(mG)という単位を用いますが英国、米国と比較しても日本の住宅環境がいかに危険な状況に置かれているかが以下でわかります。
 英国: 2mG以上の地域の人口 0.5%以下
 米国: 5mG以上の地域の人口 5.0%以下
 日本:50mG以上の地域でも人口が密集している。

 電磁波は、全ての電化製品から有害といわれる数値の数倍~数十倍漏洩していますが、電磁波は対象物から一定の距離を置くと極端に減衰します。しかしながら送電線や電波塔からの電磁波は眠っている間も容赦無く広範囲に漏洩し全身被曝から逃れることは不可能です。
 また日本家屋、特に木造の住宅から強い電磁波が出ていることが長年の測定でわかりました。つまり、日本の住宅は世界でもトップレベルで電磁波の影響を受けやすい住宅になっているということです世界の水準は安全性を確保にしているのに、日本だけ問題でるとはいったいどういうことでしょうか

4つの問題点
1.アースなしコンセントおよびアースなし家電問題
2.多量の電流問題
3.多量の電気使用量と配線過剰と位置問題
4.長時間接触電気機器問題

少ないアース付きのコンセントおよび家電問題
まずひとつは、日本の電圧は100ボルトで欧米とは電圧が異なりアースを取らないのが日本の標準です。欧米では20の電圧でアース処理されています。同じ製品を電気で動かす時に100ボルトと200ボルトでは消費する電力が倍違います。日本はアースを取らないので圧倒的に電場、磁場の影響が大きくなります。アース付きコンセントやアース付き家電が少ないため電場が多く出た状態で使われることになります。法律の制限がないという理由も電磁波の強い住宅ができあがってしまっている要因です。日本の住宅の電圧は100Vが中心です。ヨーロッパや中国など200V以上としている国では、感電死の危険を避けるためにコンセントにはアースが付いています。日本の場合、電圧が100Vと低く、万一感電しても死ぬ危険が低いために、アースが義務付けされなかったと思われます。

また、アメリカやカナダのように電圧が120V近くと低い電圧の国は他にもありますが、これらの国は訴訟社会のため、訴えられる危険を減らすために最初からアース付きの住宅とするようです(仮に電気火災が起きた場合、アースなしの住宅であれば火災保険料が下りないと聞いたことがあり、このようなリスクを減らすためと思われます)。結果として日本のみアース付きコンセントが普及せず、電場の高い住宅を作る結果となっています。

 


多量の電流問題
日本の住宅の電圧は100Vと低い設定になってい。このために流れる電流は逆に多くなります。それはこのような仕組みのためです。

消費電力(W:ワット)=電圧(V:ボルト)× 電流(A:アンペア)
消費電力は使う家電などの器具によって決まっています。例えば同じ1000Wの消費電力の器具を使ったとして

も、電圧が100Vの日本と250Vの国では、流れる電流が大きく異なります。

日本 1000W=100V×10A
海外 1000W=250V×4A

同じ消費電力の器具でも、電圧が低い分流れる電流の量が多くなるわけです。その結果、磁場が大きくなります。電場は電圧が高いところで高くなりますが、磁場は電流の流れる量が多いところで強くなります。日本は電圧が低いため、流れる電流が多くなり、その結果磁場が強くなります。

多量の電気使用量と配線過剰と位置問題
電気使用量が多く、配線が多く、さらにその位置が悪いため電磁波の影響を受けやすくなっています日本の住宅はアースがないという理由で電場が、電流の流れる量が多いという理由で磁場が強くなりがちです。これらの理由に加え、日本の住宅は電気配線が長く、家全体に張り巡らされていることがさらに問題を大きくしています。

電気製品の数が多いため、部屋の至る所にコンセントがあります。当然そのコンセントまで電気配線が引かれているため、壁の中や床の下を数多くの電気配線が通っています。電気配線の長さは35坪の一戸建てで950mにもなると言われています。家によっては、1Kmもの長さの電気配線に囲まれているケースもあるといいます。これは電気製品の数の多さに加え、照明の多さも影響していると思われます。海外の家で、そもそも天井に照明が無い家があったりするように、部屋の照明はスタンドだけで、天井には照明を付けないという国あるようです。それに比べると日本の住宅は天井に照明がないというケースはあまりありません。1階の天井に照明があるということは、2階の床下に電気配線が通っているということになります。最近の住宅では天井高を高くとるために、1階の天井と2階の床の間を薄くし、1階の天井高を稼ぐケースもよくあります。その場合、狭いスペースに配線が押し込まれるため、2階の床材と電気配線との隙間があまり取れません。そのため、2階の床の電磁波、特に電場が強くなることがよくあります

幹線の位置によって強い磁場を住んでいる人に与えることがあります普通の床上は問題が無くても、幹線の上の床は磁場や電場が高いことがあります。さらにその配線の位置です。通常のコンセントにつながっている電気配線はまだしも、外からの電気引込線から家の分電盤までつながっている幹線は大きな電流が流れています。そのためその幹線の近くには大きな磁場が発生します。これが寝室や子供部屋から遠ければ問題になりにくいですが、寝ている頭のすぐ近くを通るようですと問題です。ですが、実際にこの幹線がどの場所を通るかはほとんど把握していません設計図書を見ても、正しく電気配線の位置を示しているものもあまり多くありません。電気工事士にお任せしてしまうことが多いからです。電気工事士も工事費や作業日程の問題からなるべく簡単な工事で済ませたいと考えその結果、悪意は全くないのですが、滞在時間の長い寝室の横や下に幹線を引くことになってしまいますこれらの理由で、電磁波の多い家ができあがっていくことになります。



長時間接触電気機器問題
さらに日本独自の問題があります。それは長時間接触する家電が多いことです。長時間接触する機器の代表はパソコンで、これは日本だけに限りません。しかし日本ではこれに加え、ホットカーペット、電気毛布、電気こたつ、マッサージチェアなどがあります。また、一部の床暖房でも電磁波が強いものがあります。この電気毛布の電場は510V/mでした。基準の25V/mから見れば20倍以上です。これらの機器は電磁波が強いだけでなく、長時間人の体に触れているため、大きな問題となることがあります。こたつはもちろん日本独自のものですが、電気毛布やホットカーペットもあまり海外では見られません。これらの商品は使用していて大変気持ちの良いものですが、電磁波ということを考えると体に良いものではありません。


電磁波対策住宅とは
  電磁波対策住宅とは、建物から発生する電磁波シャッアウトした住宅のことです。家にあるパソコンや携帯電話から電磁波が出ていることはもちろんのこと、もうひとつ電磁波の発生源があります。それは「家」そのものからです。しかも、昔の家よりも新しい家のほうが電磁波が強くなっているのです。
  一般家庭の電気の消費量1軒あたり、わずか50年で10倍以上になりました。電気をたくさん使うために、建物も変化しています。建物の内部には、外の電柱から各部屋へ電気を運ぶための屋内配線が通っていますし、家電製品のプラグをコンセントに差し込む電気は、このコンセントの先(壁の内側)から配線しています。 屋内配線は室内の壁のなかを縦横無尽に張り巡らされています住宅新築時にはコンセント設置数と照明器具設置数の増加に伴い新築住宅1軒あたりの電気配線総長さが30年前に比べて平均6倍と言われています。さらに上述した通り、コードの長さをみると、今はなんと1m以上、昔の7倍の量のコードが使われているのです



電磁波対策 身を守る方法
もっとも簡単な電磁波対策は、対象物から離れることです。電場を測定すると、対象物からの影響に比例して数値が下がります。テレビは通常数十メートル離れて見るものですし、電子レンジや冷蔵庫も常に近くにいるわけではありません。ですから、パソコン、携帯電話 スマホなど一部を除くほとんどの家電製品にはこの対策が有効ですし、日常的にこういった家電製品からの電場の影響は少ないと言えるでしょう。ところが、家はどうでしょうか。家の壁や床は、つねに体の一部が接しています。そこから距離をとることは不可能です。
では、離れることが出来ない場合はどうしたらよいのでしょうか配線や家電からの放電影響を減らす家づくり
ためにまず、電場・磁場の影響を極力最低限に抑える設計施工をお願いしましょう


新築における施工設計
新築住宅の場合、建築前に電磁波対策として、壁の中に電気配線を通したり、アース線を確保したりできます。新築時は建築後だと見えなくなる場所に施工可能だからです。建築後施工しようとすると壁を壊することになり、多額の費用が必要となります。新築建築時であれば少額費用で効果の高い施工を計画することが可能です。例えば、電磁波遮断シート施工してもらったり、電気配線位置を部屋外に集約家電を使う各所のコンセントをアース付きコンセントたりできます。費用面からみても格安な電磁波対策になります。こうすることで、電気を地面に逃がす事が出来るようになるので、感電・落雷被害・ノイズ・電磁波・通信障害などを防ぐ事ができます。また家具配置なども考えて、コンセント計画は綿密にして余分なコンセントを無くす事も重要です。また電柱から家への電気線引き込み口を配慮したり、電磁波測定器を使って数値を測定して配置等を考えるようにしてもらいましょう


住宅周辺の確認
現在の住まいもしくはこれから家を建てる地域には、放送局携帯電話会社など各種電波塔電圧線などがないかを確かめることが不可欠です。また携帯電話の電波塔はいまなお乱発され、地域住民の反対運動が起こっているところもあります。そういった建設予定地が周辺にあるのかも念のため、調べておきたいところです。そして、実際に該当する地域だった場合は、十分な検討と対策が必要になります。
 また電車が通過する線路沿いはこの危ない地域に該当するのかということについては、最初図の通り、鉄道の電磁波は、静電磁波~中間周波電磁波での水準あり、安全で。ただ、この幅は、鉄道といっても、電線、電子監視装置、改札など、家電製品がそれぞれ違うように、設置されている装置や部品、車種が様々あることによって、それぞれ違いがあり測定が困難になっています。絶対安全とは言い切れませんが、ただ、最新の試行運転中の超電導のリニアモーターカーは、国際的なガイドライン(ICNIRPガイドライン)で定められた基準値以下のもとに、さまざまな対策を施し、磁界を管理しているため健康への影響はないとしています。基準値は人体への影響が生じる可能性のあるとされている磁界レベルの1/5~1/10程度の厳しい数値に設定されています。(下記図参照)電車や周辺への影響について、関係各社は多大な配慮を行なっていることに間違いありません。ただ線路沿いの場合は、電磁波の他、騒音、振動という大きな別の問題も同時に含んでいるため、容易には判断できないところがあります

リニア沿線での測定結果

車両速度

測定箇所

最大周波数

最大測定値

ICNIRP
ガイドライン値

0km/h
(停車時)

線路脇4m

0Hz

0.19mT

400mT

高架下8m

0.02mT

500km/h
(走行時)

線路脇4m

6Hz

0.19mT

1.22mT

高架下8m

0.02mT

電場をカットするためのアース
もうひとつの対策はアースです。地面に打ち込んだ金属棒を通して、電気の逃げ道を作ってあげることを「接地(アース)」と言います。アースは余分な電気を逃がし、感電防止などの役割を果たすためのものですが、実は結果的に発生する電場を抑制しますすなはち、電気と電場をも逃してくれるのです。壁・床・天井に張り巡らされている屋内配線からの電磁波は、様々な部材を伝わって伝播し、身体の表面を覆うのです。電磁波の室内への侵入を防ぐために、アースをする必要があるのです。アースの目的は電気の安全性という視点からも電磁波を避けるためにお部屋のコンセントにアース付コンセントを施設することを推奨します日本は2口コンセントが主流ですが、欧米のコンセントは3口で、3つ目の穴はアースのためのものです。日本では今のところ、水周りなど一部を除いてアース付コンセントは見られませんが、アースをすることによって家電製品からの電場は簡単に削減することが出来ます。


おわりに
日本の生活環境において電磁波は身の周りに予想以上に溢れています。しかし、電磁波を目で見ることはできません「電磁波」と聞いて、「身体にとってよくないもの」という認識を持っている人は多いのですが、その対策らしきことをしている人はほぼいないというのが現状です。人間は、目や耳で感じられないものに意識を向けることが難しくできているようです。住宅を購入したり転居した後に、これらの悪環境に気が付いても手遅れです。電磁波に対する正しい知識と対策を備えることが「転ばぬ先の杖」となります。

参考

電磁波・化学物質過敏症対策 増補改訂」大久保貞利著 緑風出版 2018年10月

「電磁波過敏症」加藤やすこ著 緑風出版 2004年11月

「電磁波による健康被害」加藤やすこ著 緑風出版 2015年7月

「ルポ最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線」黒数哲哉著 花伝社 2014年12月

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